おばあちゃんを家族でおうち介護する暮らしを通して学んだことを紹介しています。

認知症を「おうちかいご」していると、びっくり、どっきり、ひやひや することに出会います。
そんな時どんな風に対応したかをご紹介します。もちろんここで書くことは私の個人的な見解です。

認知症って、どんな人?

・・・とても傷つきやすくて繊細、弱いものへの優しさであふれている。反面、自分本位の進め方をする人に対しては絶対に負けない正義の人。どんなに強い相手にもケンカを吹っかけて挑んでいきます。でもとても寂しがり屋。いつだって抱きしめてもらいたいと思っています。そして絶対にへこたれない、アキラメナイ。だから敵なし。勝とうと思ったらこちらが負けます。そして過去を振り返らない、常に「今」を生ききる人。

  1. だから、礼儀を尽くした大げさな接し方がベスト。
  2. まずは深呼吸を3回する。
  3. 静かに穏やかな口調で「○○さん」と姓ではなく名前を呼んでから
  4. 「教えていただきたいことがあるんだけれどいいかしら?」と問いかける。
  • たとえ親子、孫の関係であっても。人間としての礼を尽くせば必ず応えてくれるのが認知症だと思います。

一生懸命話しかけても通じない時は?

・・・一生懸命説明しすぎているかも?相手の能力に合わせた話し方を選ぶことが「一生懸命話すこと」。

  1. 相手の気を惹く
  2. 一問一答形式で考えを導き出しながら理解してもらう。

どうやったら気を惹くことが出来る?

・・・一番効果的だったのは「優位に立たせる」テクニック。

  1. 仲間だと思わせる。例:突然大きな声で「今日は天気が良いわねぇ」と話かける。「ほんとねぇ」と返ってきたらすかさず本題を切り出す。
  2. 頭がおかしいふりをする。例:本人と同じ言動を真似して本人にしてみる。「何するのよ、よしてよ」と嫌がられるので、応戦、喧嘩をけしかける。
  3. 弱い人間を演じる。例:もうダメ、私死んじゃうわと泣きつく。
  4. 深呼吸をさせる。本人が興奮している時に効果あり。「大きく息を吸って〜吐く〜」を3回やる。

一問一答形式とは?

・・・情報をひとつに絞って、質問を重ねる誘導尋問スタイル

例:トイレでおしっこを促したい時

  1. 「○○ちゃんは今トイレにいます。」(答えの提示)
  2. 「○○ちゃんは今どこにいますか?」→「トイレにいます」
  3. 「トイレは何をするところですか?」→「トイレはおしっこをする所です」
  4. 「○○ちゃんは我慢しているおしっこがありますか?」→「あります」
  5. 「ここはトイレだから我慢しているおしっこをしてくださ〜い、おしっこしていいですよ〜」→無事完了☆

これだけはしちゃいけないこととは?

・・・どんなに衝撃的な場面を目撃しても「何やってるの!!」は禁句です。心がズタズタに切り裂かれてしまうからです。

例:おしっこで失敗してしまったとき

  1. 「○○ちゃん、調子どう?来るの遅くなってごめんね〜、ちょっと今日は暑いから汗ぐっしょりね〜折角だからお着替えしない?ちょうどお洗濯が乾いたのよ〜♪私も今着替えるところだから一緒に着替えましょ」
  2. 「おしっこ出て良かったわね〜、おしっこ出ないとお病気になっちゃうから出るといいな〜と思ってたの。あなたにしてみたら、出ちゃった〜、失敗した〜、どうしようってそれはそれは心配したんじゃない?大丈夫よ〜。今はいいものが出来ててお昼寝シートっていうのを敷いてあるから安心よ♪いい時代になったわね〜」
  3. 「私ったら、来るのが遅くて、悪いことしちゃったわね〜ごめんね、申し訳ない、堪忍してね。私○○ちゃんに嫌われたら生きていけないわ」

こうやって舞台女優になったつもりで接し続けていくと、だんだんと暮らしが落ち着いていきます。
同じ認知症でも、穏やかで誰からも愛される知性あふれる認知症へと育てていくことが出来ます。
相手の文化に心を寄せ、具体的な言葉表現に相手の文化を反映させてあげること。
家族だからこそ知っている本人の口癖や言い回しを使うことはとても効果的な一歩でした。